高校生に着実に根付く創業の機運。「起業に関心」は83.2% 中小機構「起業家教育事業」の有効性を確認

  • 2024.4.2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弊社は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(理事長:宮川 正 本部:東京都港区)からの委託事業として、高等学校等における起業家教育の導入を支援する起業家教育事業である、令和5年度「起業家教育事業(起業家教育プログラム)運営」を実施させていただきました。起業家に必要とされるマインドと資質・能力を有する人材の育成に資する若年層向け起業家教育の推進を目的として、「起業家教育プログラム実施支援」と「起業家教育出前授業実施支援」の事務局を運営いたしました。

【中小機構「起業家教育事業(起業家教育プログラム)」の目的】

日本の開業率は欧州・米国と比較して低い水準にあります。その一因として、そもそも創業に関心がある者の割合が低いというデータがあることから、創業に関心がない者における創業機運を醸成し、創業の裾野の拡大を図ることが重要です。このため、起業家に必要とされるマインドと資質・能力を有する人材の育成に資する若年層向け起業家教育の推進を目的として、中小機構において高等学校等が実施する起業家教育に対する支援を行っています。

 

【起業家教育プログラム実施支援について】

令和5年度の中小機構の起業家教育プログラム実施支援は1年間を通じて最短で5時間、最長で32時間取り組みました。具体的な内容としては、発想力や創造力、決断力などの育成や、ビジネスプラン作り、商品開発、販売戦略立案など、起業家としてのマインドや資質の育成につながる実践的で踏み込んだ内容となっています。

・対 象:起業家教育標準的カリキュラムを導入し、起業家教育に取り組む高等学校等。

・目 的:起業家に必要とされるマインドと資質・能力を有する人材の育成。

            起業家教育に取り組む高等学校等及び自治体、創業支援機関等の拡大。

・提供内容: 起業家教育標準的カリキュラム導入のためのサポート。他校との接点、生徒のコミュニティ

     社会との接点の提供。年間5~30時間程度を活用し、起業家教育を実施。

・実施期間:令和5年5月〜令和6年2月

・支援数:10校

・学校名:桜花学園高等学校/北九州市立高等学校/熊本マリスト学園高等学校/佐野日本大学高等学校/静岡北高等学校/奈良県立商業高等学校/福井県立鯖江高等学校/福島県立福島商業高等学校/三重県立四日市商業高等学校/宮城県農業高等学校

 

【起業家教育出前授業実施支援について】
令和5年度の中小機構の起業家教育出前授業実施支援は、中小機構から起業家などの講師を派遣し、講義等を実施。主として、起業家が身近にいないという高校生が起業家と触れ合う機会を設けることで、「起業家」に対するイメージや理解を高めていただき、起業を身近に感じてもらうための施策です。

・対 象:起業家を招いた講演・出前授業の実施を希望する高等学校等。

               主に生徒等を対象とする、起業家教育・創業機運醸成に関する講演・出前授業の実施を希望する

               自治体・創業支援機関等。

・目 的:起業家に必要とされるマインドと資質・能力を有する人材の育成。
     起業家教育に取り組む高等学校等及び自治体創業支援機関等の拡大。

・提供内容: 出前授業実施に向けた企画相談
     (1コマ 50-60分程度)
     ・起業家の紹介、派遣
     ・謝金の支払

・実施期間:令和5年4月〜令和6年2月

・支援数:50校

・学校名:非公表

 

【起業家教育プログラム実施支援:創業に関する意識調査】

起業家教育プログラム実施支援校10校の生徒(延べ506名)に対して行われた「創業に関する意識調査」から、プログラム実施前と実施後では創業・起業への関心や意向の高まりが如実に感じられる結果が示されており、数値の点からも起業家教育プログラム実施支援の有効性が裏付けられました。

 

「創業に関する意識調査」サマリー

(「起業家教育プログラム実施支援」および「起業家教育出前授業実施支援」実施前後の生徒に対するアンケート調査より一部抜粋)

 

トピックス①起業家教育プログラム受講後、「起業に対する関心」は56.9%伸張

「起業に対する関心がある」とする生徒はプログラム受講前の26.3%から受講後は83.2%に増加。56.9%の伸長を見せました。

トピックス②起業家教育プログラム受講後、「起業は将来のひとつの選択肢として考えられる」は29.1%伸長

将来のキャリアを考える上で「起業はひとつの選択肢として考えられる」とする生徒はプログラム受講前の42.9%から受講後は72.0%に増加。29.1%の伸長を見せました。

トピックス③起業家教育プログラム受講後、「将来、起業してみたい」は20.1%伸張

「将来、起業してみたい」とする生徒はプログラム受講前の22.9%から受講後は43.0%に増加。20.1%の伸長を見せました。

【起業家教育出前授業実施支援:創業に関する意識調査】

「起業家教育プログラム実施支援」とは別の支援策として、中小機構から起業家や起業家教育推進担当者などの講師を派遣し、講義等を実施する「起業家教育出前授業実施支援(通称:起業家教育出前授業)」に参加した50校の生徒(延べ2,023名)に対して行われた調査からも、以下のようなポジティブな反応を得ることができました。

トピックス①受講後の「創業・起業に対する興味の変化」→80%が「興味が増した」と回答

 

トピックス②「新しくモノやアイデアを生み出すチャレンジをしたいと思うようになった」74.9%

 

 

トピックス③「自分自身の意思や考えで何かに取り組んでみたいと思うようになった」79.4%

【令和5年度起業家教育プログラム実施報告会の開催】

起業家教育プログラム実施支援の集大成として去る令和6年2月11日(日)に「起業家教育プログラム実施報告会」を東京・港区の虎ノ門ヒルズ内のスタートアップインキュベーション施設「CIC TOKYO」にて開催いたしました。

【プレゼンテーション風景】

【熱のこもったプレゼンテーションを展開】

【プレゼンテーションに耳を傾ける生徒たち】

当日は起業家教育プログラム実施支援10校に加え、日本政策金融公庫 高校生ビジネスプラン・グランプリ受賞の1校が全国から参加。各校のプレゼンテーションでは、地元地域の活性化や社会格差の問題に着目したもの、プロダクト開発に関連したものなど、バリエーション豊かなテーマが挙げられました。中には起業に向けて具体的なアクションを起こしている事例もあり、同世代のプレゼンテーションに熱心に耳を傾ける高校生たちの様子が見られました。プレゼンテーション終了後には、ワークショップを通じて各校の生徒同士、さらには講師として招いた起業家らとの交流を深める機会も設けられ、参加した生徒からは「他校との意見交換で多くの学ぶことがあった」「同じ高校生でも考えていることに違いがあり、実行している人もいて大きな刺激になった」「日本全国からこれだけの高校生が起業について関わり、交流する機会があるのはとても良いこと」といった感想も聞かれ、盛会のうちに閉幕しました。

【ワークショップ風景】

【ユニファ株式会社 土岐泰之社長による起業家講演】

【株式会社ALE 岡島礼奈社長による起業家講演】

【起業家との交流】

 

<当日の参加校とプレゼンテーションテーマ(登壇順)>

  • 静岡北高等学校(静岡県)

「静岡をホビーの街に」

  • 福井県立鯖江高等学校(福井県)

「古町商店街を元気に」

  • 福島県立福島商業高等学校(福島県)

「食品ロス×地域創生 〜食を通して福島から笑顔を〜」

  • 北九州市立高等学校(福岡県)

「地域課題をビジネスで解決! 〜未来の起業家発掘プロジェクト〜」

  • 三重県立四日市商業高等学校(三重県)

「四日市のバトン」

  • 佐野日本大学高等学校(栃木県)

「自習場所提供支援サービス『スグ勉!』」

  • 奈良県立商業高等学校(奈良県)

「未完成カフェ+ 〜地域コミュニティの再生・異世代交流〜」

  • 桜花学園高等学校(愛知県)

「株式会社設立に向けて 〜起業家プログラムから得たビジョン〜」

  • 田園調布学園中等部・高等部(東京都)

「世界の女性を幸せにする『テック・ドミトリー』」

  • 熊本マリスト学園中学校・高等学校(熊本県)

「シューカット 清涼レインコート」

  • 宮城県農業高等学校(宮城県)

「#Jクレジット革命」

 

<「起業家教育プログラム実施報告会」開催概要>

■日時:2024年2月11日(日)13:00〜17:00

■会場:スタートアップインキュベーション施設「CIC TOKYO」

 (東京都港区⻁ノ門1丁目17−1 ⻁ノ門ヒルズビジネスタワー15F)

 

■参加校によるプレゼンテーション/ワークショップ

・起業家教育プログラム実施支援10校

・日本政策金融公庫 高校生ビジネスプラン・グランプリ受賞1校

 

■起業家講演

・ユニファ株式会社 代表取締役 CEO 土岐 泰之氏

・株式会社ALE   代表取締役 CEO 岡島 礼奈氏

 

■主催:独立行政法人中小企業基盤整備機構、経済産業省中小企業庁

■運営:株式会社ValuesFusion

 

【令和6年度起業家教育事業(起業家教育出前授業実施支援)申し込み受付中です】

「起業家教育出前授業実施支援」は、令和6年4月〜令和7年1月まで募集を行っています。

詳細の内容は下記サイトをご確認いただきお申し込みください。

https://entrepreneur.smrj.go.jp/entrepreneur/overview/

 

【独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)について】

中小機構は、事業の自律的発展や継続を目指す中小・小規模事業者・ベンチャー企業のイノベーションや地域経済の活性化を促進し、我が国経済の発展に貢献することを目的とする政策実施機関です。経営環境の変化に対応し持続的成長を目指す中小企業等の経営課題の解決に向け、直接的な伴走型支援、人材の育成、共済制度の運営、資金面での各種支援やビジネスチャンスの提供を行うとともに、関係する中小企業支援機関の支援力の向上に協力します。

 

<中小機構「起業家教育事業」関連サイト>

・公式サイト

https://entrepreneur.smrj.go.jp/entrepreneur/

・起業家教育プログラム実施報告会

https://entrepreneur.smrj.go.jp/hbvjl700000003i0.html

・起業家教育プログラム導入支援事例集

https://entrepreneur.smrj.go.jp/casestudies.pdf